アーティストステートメント

私の作品は表面であり、立体であり、内外の空間であり、人と介する可能性だ。

歴史的に人類文化に幅広く携わってきた媒体である陶磁器に、自然への想像力と心理を元に人が築いてきた図像を現代の視点から描いてる。

 

私が作品に描いているのは、自然の亡霊のようなものだ。

筆と釉薬を用いて、古典世界に登場する動植物や神秘の生物、あるいは縁起が良いと尊ばれる事物や風景を器に描いていく。

自然と人間文化の翻訳物として信仰されたそれらの図像は、現代において矮小化され、ファンタジーとして生活や娯楽の中で消費されていく。

しかしそれは自然崇拝の成れの果てであると同時に、現代的な死生観や欲求、感情とのハイブリッドだ。

そのいびつで不完全な、しかし実際的な様相に私は面白みを感じる。

それらが私という個の中で蓄積された美と感触を通して、小さな、しかし異形の器へと擬態するのだ。